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米中冷戦、「負けるのは日本」の可能性

米中冷戦?中国包囲網?

2018年10月4日のペンス米副大統領の演説は、鉄のカーテン演説を連想させるものとされ、これから米中冷戦が始まると考えられている。

ただし、アメリカを含む中国包囲網は以前より進んでいる。

マレーシアで中国企業による巨額の公共事業がポシャり、インド洋の島国モルディブの大統領選で親中派が敗北したり、オーストラリアが中国系企業を一部の携帯電話事業から締め出したことは、私も知っていた。

しかし、欧州も中国企業の買収に警戒していることは知らなかった。

[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ経済省のマティアス・マハニック次官は、独紙ウェルト日曜版のインタビューで、技術保護を強化するため、中国企業によるドイツや欧州の企業の買収提案を詳細に調査する法的手段の確立を目指していると述べた。

インタビューの抜粋によると、マハニック氏は、急増している中国投資を監視するEU域内の法案を年末までに可決すべきだと述べた。技術やノウハウの流出などを防ぐため、「欧州連合(EU)でより厳しい法案が不可欠だ」と語った。 [以下略]

出典:中国企業による買収、EUは監視強化法案の早期可決を=独経済次官/ロイター 2018年1月29日

あの中国とズブズブだったドイツがこんなことを言っている。

もはや鉄のカーテンを連想させる米中冷戦というよりも、ABCD包囲網を連想させる中国包囲網だ。そしてそれは完成寸前のように思える。

では日本はどうなのかというと、大手メディアではほとんど無関心だそうだ。

安倍総理はそのむかし「 セキュリティダイヤモンド構想」という名の中国包囲網を考えた人だが、10月4日の演説に反応する様子が見られない。25日から訪中して習近平国家主席と会うそうだが、何を話すか気になるところ。

もし、日本が中国包囲網に乗り遅れた場合、どうなるか。

日本が負けるシナリオ

動画『10月16日|火曜20時半は生放送!奥山真司のリアリズムで見る国際ニュース「アメ通LIVE!」||※後半はニコ生、FRESH! - YouTube』の53分30秒あたりから

動画『【10月15日配信】安達誠司のマーケットニュース「ペンス米副大統領「対中演説」の真の狙いは?」江崎道朗【チャンネルくらら】 - YouTube』の22分40秒あたりから

上の2つの動画によれば、日本の最悪のシナリオは、このまま中国包囲網に関心のないままでいると、欧米から閉め出された中国の企業買収や技術買収(技術移転)が日本に集中して、日本の基幹部門の技術が次々と中国へ流出して、日本の基幹産業だったものが中国の基幹産業になり、国際競争力で日本は敗北する。

リーマンショックの時に国際金融に無理解な日本が一番ひどい目にあったのだが、これから起こりうることはそれ以上に深い傷跡を残すことになる。経済大国の座から引きずり降ろされるかもしれない。