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【感想】 中村 太地 (監修) 『どんどん強くなる こども詰め将棋5手詰め』

(レビュアーの棋力は初心者レベルであることを予めご了承ください)

3手詰から5手詰に移行しようとして定番の『5手詰ハンドブック』に手を出したのですが、全く歯が立たない状況でした。

3手詰をやり直して今度は簡単な5手詰の本をやろうと思い、手にしたのが今回紹介するこの本です。 中村 太地 (監修) 『どんどん強くなる こども詰め将棋5手詰め』(以下『こども詰め将棋』)。

前回は「3手詰の入門書」と言うべき本を紹介しましたが、今回は「5手詰の入門書」と言うべき本です。この手の5手詰の本はこの本『こども詰め将棋』以外に無いと思います(ちなみに、前回の本の1手詰バージョンはあるのですが、5手詰バージョンはありません)。

まずは感想の結論から

デメリット面

結論としては「微妙」です。星3つ~3.5といったところです。

まずこの本をやる目的は5手詰の基本パターンを知るということでした。しかし、この本で紹介されている基本パターンは3手詰と同じでした。「5手詰のパターンは3手詰のパターンの応用だ」ということは『5手詰ハンドブック』の冒頭でも書いてあるので、当たり前といえば当たり前なのですが、、、。

もうひとつ、上で『5手詰ハンドブック』に挫折してということを書きましたが、もう一つの定番『5手詰将棋』(将棋パワーアップシリーズ)の方は比較的簡単なので、3手詰をやりこんだ人は『5手詰将棋』→『5手詰ハンドブック』というようにやれば、スムーズにレベルアップできそうです(私はまだやっていないのですが)。

なので、『こども詰め将棋』をやる効果は、3手詰の「入門書」と比べるとやや薄れるというわけです。

メリット面

さて、冒頭からデメリット面を話してしまいましたが、これからメリット面の話をします。

まずメリットの1つ目は「5手詰のパターンは3手詰のパターンの応用だ」の確認です。「応用」と言われても実際に見てみないとその意味が理解できません。「応用」のパターンを紹介している本なのでひと目でも見る価値はある、というものです。

2つ目は『5手詰将棋』よりも簡単だということです。3手詰から5手詰の移行がよりスムーズに行われることが期待できます。つまり『こども詰め将棋』→『5手詰将棋』→『5手詰ハンドブック』という順にやれば躓くリスクが減ると思われます。

価格は900円+税

問題数でコストパフォーマンスを測る人にはおすすめできませんが、3手詰から5手詰の移行をよりスムーズにしたいと考える人は一考に値します。

書店にあれば少し立ち読みしてから購入するか否かを決めれば良いし、図書館にあればその場でじっくり読むか借りて読めば良いと思います。

※誤植
p195の第18問をp205の正解の手順で解くと歩が駒余りになります。 しかし、p205の詰め上がり図(下図)では駒余りになってません。