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社会をまとめるフィクションの大切さ

最近、YouTubeのチャンネル『奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」』にハマっているのだが、大変勉強になる。

www.youtube.com

今回記事にするのは、「狩猟民族が証明する『物語り』『伝説』の重要性!フィクションこそが明るい未来をつくる!という事実。|奥山真司の地政学「アメリカ通信」 - YouTube」という動画を参考にしたもの。

動画の中身

狩猟民族の社会形成で成功している部族のリーダーは話がうまい、ストーリーテラーとして優れている、という。話がうまいリーダーは尊敬されるのでリーダー的役割を全うすることができる、という。

また、サンタクロースにまつわるおとぎ話の話に触れ、このおとぎ話によりクリスマスという文化が産まれ、世界でクリスマス商戦が起こり、日本ではラブホテルまでが潤う(苦笑)ということまで言っていた。つまり、フィクション(物語)から大きな行動(この例で言えば経済活動)が産まれるという。

奥山氏はこの話より、国家にもフィクションが大切だと主張していた。国家がまとまるためには物語が必要になる。

岡田英弘氏は「民族も国家も幻想だ」と身もふたもないことを言っている*1。「国民国家は利権でもある」*2とも。

民族・国家・部族でも一つの社会にはフィクションあるいは物語が必要になる。その物語というのはたとえば神話であり歴史あり宗教である。その他で言えば「日本人は勤勉である」というような刷り込みや、「中国語千年の歴史」という大風呂敷も社会をまとめる力になるそうだ。ただ「韓国半万年の歴史」というのはあまりにも事実と乖離しすぎて韓国人ですらついていけないそうだ。

フィクションは戦略だ!(岡本太郎調で)

上で紹介した動画でも言っているが、この手のフィクションは戦略だ。

戦略については以下の動画で簡単に説明されているので参考に。

戦略の7階層 - YouTube

この動画を参考にして言えば、国家経営をするのは政治家の役目で、政治家は国家のヴィジョン・世界観を国民に提供しなければならない。政治家は優秀なストーリーテラーでなければならない、という結論になるだろう。嘘もうまくなければならないが、保身のためばかりではなく、国家のためにつかえなければならない。

人類の進化の要因もフィクションだった

「社会をまとめるフィクションの大切さ」については、ダンバー数で有名なロビン・ダンバー氏も言っていることだ。

友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

ダンバー氏は『人類進化の謎を解き明かす 』という本で、人類進化の過程でホモ・サピエンスは言語を発明し、さらにストーリーテラーが産まれ、宗教を作ったおかげでここまで繁栄できたと言う。

メインブログの方で記事を書いているので参考に。

rekishinosekai.hatenablog.com



最近になってようやく、過去に読んだ別々の分野の本や動画で得た知識がアタマの中でリンクするようになってきた。もっとたくさん本を読んでいれば[以下略]

*1:『歴史の読み方』の第1章第3節「民族」も「国家」も幻想だ/弓立社/2001

*2:p55